【男性型脱毛症診療ガイドラインが2017年改訂に】2010年版との違いや新しいAGA治療への評価は?

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)

【男性型脱毛症診療ガイドラインが2017年改訂に】2010年版との違いや新しいAGA治療への評価は?

7年ぶりに改訂&発表されたAGA診療ガイドライン

2010年に日本皮膚科学会から発表された「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)」が約7年ぶりに改訂となり、2017年12月20日に「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」とタイトルを改めリリースされました。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)

2010年版は要旨部分が10ページでしたが、2017年版では15ページにボリュームUPしています。

参考 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)※PDFファイル日本皮膚科学会

なお、2010年版の「男性型脱毛症診療ガイドライン」については別ページで解説しています。

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男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)【AGA治療の案内板】日本皮膚科学会の「男性型脱毛症診療ガイドライン2010年版」を徹底解説

これまで根拠のない民間治療が誇大広告によって宣伝され、効果の無い薄毛治療を受け続けさせられていた人も多かったのですが、2010年にガイドラインが発表され、AGA治療に標準的な指針が示されたことは、画期的な出来事でした。

あれから7年・・・

新しい治療薬・治療法の登場や、女性の男性型脱毛症に対する捉え方に変化があったことなどから、ガイドラインが改訂され2017年ついに発表になったというわけです。

このガイドラインをチェックすることで、医学的根拠のある最新のAGA治療法を知ることができますよ。

ハヤシ先生

2017年版のガイドラインには、このガイドラインを「今後とも定期的に改訂していく予定」という記載があります。AGA治療も毎年のように新しい治療法や考え方が出てきています。定期的に新しい情報をチェックするようにしましょう!

【補足】診療ガイドライン作成者(委員会)の変更点

ガイドラインの作成は日本皮膚科学会と毛髪科学研究会(SHSR)の共同事業となっており、毛髪疾患に詳しい医師が中心となって委員会を構成し、ガイドラインの作成がなされている点は前回と同様。

ただ、2010年版では10人の専門医が委員会メンバーでしたが、2017年版では17人に増えています。AGA治療薬の種類や治療法が増えたこと、幅広い視点で総合的にチェックするために、人数を増やしたと思われます。

★2010年版「男性型脱毛症診療ガイドライン」策定委員会メンバー
坪井 良治/板見 智/乾 重樹/植木 理恵/倉田 荘太郎/幸野 健/齊藤 典充/真鍋 求/山﨑 正視/勝岡 憲生

 

★2017年版「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」作成委員会メンバー
坪井 良治/板見 智/乾 重樹/植木 理恵/倉田 荘太郎/幸野 健/齊藤 典充/眞鍋 求/山㟢 正視/長田 真一/天羽 康之/伊藤 泰介/大山 学/佐藤 明男/下村 裕/中村 元信/成澤 寛

ちなみに前回の10人は、1人を除いて9人が今回の委員会メンバーにも入っており、前回のガイドラインを踏まえつつ、新しい8人の意見も含まれたガイドラインとなっています。

では、2010年版と比較しながら2017年版をチェックしていきましょう!

2017年版と2010年版ガイドラインの比較

今回、発表された2017年版のガイドラインがコチラ。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン表

推奨度 治療成分・内容
A フィナステリド内服(男性)/デュタステリド内服(男性)/ミノキシジル外用(男性・女性)
B 自毛植毛術(男性)/LEDおよび低出力レーザー照射/アデノシン(男性)
C1 自毛植毛術(女性)/アデノシン(女性)/カルプロニウム塩化物/t-フラバノン/サイトプリンおよびペンタデカン/ケトコナゾール/かつらの着用
C2 ビマトプロストおよびラタノプロスト/成長因子導入および細胞移植療法
D フィナステリド内服(女性)/デュタステリド内服(女性)/ミノキシジル内服(男性・女性)/人工毛植毛術
推奨度の分類
A  :行うよう強く勧める
B  :行うよう勧める
C1:行ってもよい
C2:行わないほうがよい
D  :行うべきではない

そして、2010年版との比較はコチラ。画像をタップすると拡大します。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)と男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)の比較

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)と男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)の比較

画像を見比べてもイマイチ分かりづらいと思うので、順番に2010年版と何が変わったのか、主な変更点について解説していきます!

2017年版と2010年版の主な変更点【9点】

★2017年版で新たに加わった成分や治療方法

  • デュタステリド内服の追加(男性:推奨度A/女性:推奨度D)
  • LEDおよび低出力レーザー照射の追加(推奨度B)
  • かつらの追加(推奨度C1)
  • ビマトプロストおよびラタノプロスト外用の追加(推奨度C2)
  • 成長因子導入および細胞移植療法の追加(推奨度C2)
  • ミノキシジル内服の追加(推奨度D)

★2017年版で変更があった成分や治療方法

  • 自毛植毛術に女性向け推奨度が新たに追加(推奨度C1)
  • アデノシン外用の男性向け推奨度がアップ(前回推奨度C1⇒推奨度B)
  • セファランチンを含む育毛剤外用の削除(前回推奨度C2⇒記述ナシ)

それでは具体的に1つずつ見ていきたいと思います!

2017年版に新たに加わった成分や治療方法

デュタステリド内服の追加

男性:A(行うよう強く勧める)
女性:D(行うべきではない)

デュタステリドを主成分とするザガーロ

GSK社製ザガーロカプセル

5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型の両方の酵素の働きをストップさせるデュタステリド。国内でも2015年9月に厚労省の承認を受け、2016年6月からデュタステリドを主成分とするザガーロの発売が開始されました。それに合わせて今回のガイドラインにも追加されています。

ガイドラインによると、1日0.5mgのデュタステリド投与で有意に毛量が増加したという症例試験が複数あるとのこと。ただし、1日1mgのフィナステリド投与との比較では、デュタステリドがわずかに優れた効果を示した程度で、効果の差については今後の検討が必要とされています。

なお、デュタステリドは新しい薬のため、フィナステリドのように2年・3年といった長期間の観察がなされた試験報告がまだありません。

また、女性のデュタステリド内服に関してはフィナステリドと同様、胎児の正常発育を妨げる可能性があるので使用は禁止とされています。

LEDおよび低出力レーザー照射の追加

B(行うよう勧める)

低出力レーザー照射器「ヘアマックス」

低出力レーザー照射器「ヘアマックス」

LEDや低出力レーザー照射が推奨度Bという高い評価を得て今回初登場。「ホントに薄毛に効果なんてあるの?」という疑問が以前はありましたが、ガイドラインでは過去の症例試験では発毛効果が認められており、十分な根拠があるとされています。

具体的な例を1件紹介すると、男性110名を対象に、655ナノメートルの低出力レーザーと比較検証のための赤色光源を、週3回のペースで26週間(約半年間)照射。低出力レーザーを照射した人たちは毛髪数が19.8本/cm2増加、逆に赤色光源を照射した人たちは7.6本/cm2減少したという結果が出ました(差引きで27.4本の差)。

副作用については乾燥やカユミ、蕁麻疹など比較的軽度のものなので、評価は「行うように勧める」となっています。

ただし、試験で使われた機器は国内未承認のものであり、適切な機材選びやクリニック選びが欠かせません。ちなみにアメリカのFDA(日本でいう厚生労働省にあたる)で承認されている「ヘアマックス」(写真)という低出力レーザー照射器は日本でも購入可能です。

また、AGAクリニックでも導入されはじめていて、AGAスキンクリニックでは「LED治療ヘアビーム」という治療がメニューに加えられています。

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AGAスキンクリニック【全国展開&最大手】AGAスキンクリニックの薄毛治療の特徴|効果・費用&口コミ・評判

かつらの追加

C1(行ってもよい)

かつら

2010年版でもカツラに関する言及は少しありましたが、今回は他の治療法や成分と同列扱いで登場。

当然ながらカツラは根本的に薄毛を治療するものではありません。ですが、基本的なAGA治療で改善しない場合や、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が低下している場合は、副作用の報告も無いため使っても良いとするとされています。

実際に、QOLがカツラの着用によって向上したというアンケート調査による研究結果も2例出ています。

ちなみに「QOL」とは、

QOL=Quality of lifeとは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。

(Wikipediaより引用)

ということを意味しています。

ビマトプロストおよびラタノプロスト外用の追加

C2(行わないほうがよい)

グラッシュビスタ

アラガン社の「グラッシュビスタ」

2017年版初登場。ビマトプロストや類似のラタノプロストは本来、緑内障の進行を抑える点眼薬として開発されましたが、副作用としてまつ毛への発毛効果を示したことから「まつ毛貧毛薬」としても開発されました。

アメリカでは「まつ毛貧毛症」の治療薬がFDAの承認を受けて2009年から発売、日本でも2014年3月に厚生労働省に承認され、グラッシュビスタ(主成分:ビマトプロスト)という商品名で現在販売されています。

そして、「まつ毛の発毛効果があるなら、薄毛にも効果があるのでは?」と考えられてはいるのですが、ガイドライン作成時点で臨床試験などは実施されておらず、効果の検証ができていません。

また、ラタノプロスト外用が国内では未承認であることや、ビマトプロストやラタノプロストを広範囲に塗った場合の安全性も担保されていないため、現時点では「行わないほうがよい」という結論になっています。

今後の試験や研究で評価が変わるかもしれませんね。

成長因子導入および細胞移植療法の追加

C2(行わないほうがよい)

成長因子を使ったメソセラピー治療

メソセラピー治療で使用するカクテル

現在多くのAGAクリニックでおこなわれている成長因子を使ったメソセラピー治療やHARG療法、PRP療法などは、意外にも「C2:行わないほうがよい」という評価に。

実際、数多くの症例が公式HPなどで掲載されていて、AGA専門医もオススメしている治療ではあるものの、2017年版ガイドラインでは低評価になりました。

ナゼなのか?以下、ガイドラインからの引用です。

これらの臨床試験の多くは,限られた施設における,倫理委員会の承認を必要とする先進医療の段階にあり,安全性なども含め,その有効性は決して十分に検証されているとはいえない.以上から成長因子導入・細胞移植療法は今後が期待される治療法ではあるものの,「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」などの法規に則って施術する必要のあるものも多く,現時点では広く一般に実施できるとは言い難いため,行わない方がよいことにする.

つまり、今後の期待値は高いものの、安全性・有効性の検証が十分ではなく、まだまだ先進医療段階であるため一般的にオススメすることはできないという状況のようです。

将来的には推奨度が上がる可能性も十分にありそうですね。

ミノキシジル内服の追加

D(行うべきではない)

今回の2017年版ガイドラインの中で1番の驚き・・・

なんとミノキシジル内服が「D評価:行うべきではない」にランク付けされました。理由としてガイドラインに書かれているポイントは次のような点。

  • ミノキシジル内服が国内で認可されていない
  • 有用性に関する臨床試験が実施されていない
  • 医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるため、医薬品医療機器等法の観点から問題視される

1点目については、すでに御存じの人も多いと思います。ミノキシジル外用は海外含めて数多くの臨床試験がおこなわれおり国内でも認可されている一方で、内服は国内で認可されていません。

ハヤシ先生

認可されていなくても医師の判断・責任の元で薬を処方することは可能ですよ。ミノキシジル内服薬を処方しているAGAクリニックは国内にも数多くあります。

2点目については知らなかった人も多いかもしれません。

もともとミノキシジルは高血圧の人が血圧を下げるための薬として処方されていましたが、患者さんの中に多毛症の副作用が出る人が出てきたことから、AGA治療のための発毛剤として改めて開発がスタートしたという経緯があります。

そして、多毛症を主作用としつつ、それ以外の副作用を抑えるために、作用が穏やかな外用薬として臨床試験がおこなわれ認可を得ています。なので、内服については試験が行われていない(後回しにされている?)という現状があります。

ただ、やっぱり外用薬よりも内服薬の方が発毛力が強いんですよね・・・汗

実際問題、AGAクリニックで処方されたミノキシジル内服を使って、AGAを改善できている人はたくさんいます。

外用よりも内服は効果が高い分、副作用のリスクも高まると言われていますが、ガイドラインでは「多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく」と書いてあります。

ただし、少ないながらも胸痛や心拍数の増加、動悸、息切れなどの副作用のリスクは可能性としてあるので、医師の診察の元できちんと管理してもらいながら服用する必要はあります。

ミノキシジルを主成分とする「ノキシジルタブレット」

ミノキシジルタブレット「Noxidil ノキシジル」

3点目については、ミノキシジル内服がどうこうというよりも、倫理的・道徳的な問題かなと思います。

最近のAGAクリニックの乱立で、十分な経験を持たない医師が診察にあたるケースも増えていると聞きます。

薬治療だけであれば、適当に診察をして薬を出すだけ。しかも、AGA治療薬の種類はフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルぐらいしかありませんから、基本的な治療薬を出すだけであれば、そんなに難しいこともありません。

一方で、過去の経験や症例を数多く持つ医師やクリニックであれば、きちんとAGAの進行度や発毛状態を診ながら細かく濃度調整をおこないつつも、副作用が出ないラインできちんと薬を処方してくれます。万一、副作用が出たとしても、経験値の高い医師にすぐ相談できる体制があるのは精神的に心強いです。

個人輸入の件については、薬の安さ分のリスクを自分で負っているということですので、本人的には自己責任でOKなのかもしれませんが、日本皮膚科学会という公的機関からすると見過ごせないということなのでしょう。

このように、ミノキシジル内服は現場レベルで発毛効果は体感できているものの、認可の問題や有用性の検証問題、倫理的な問題によって「D:行うべきではない」という評価になっています。

個人的に将来的に症例試験が行われ、認可が取れる可能性もまだまだあると思っています。効果があること明白なのですから、今後に期待しましょう!

2017年版で変更があった成分や治療方法

自毛植毛術に女性向け推奨度が新たに追加

男性:B(行うよう勧める)
女性:C1(行ってもよい)

自毛植毛の様子

自毛植毛については2010年版で推奨度Bでした。その時は男女を分けて言及していなかったのですが、2017年版では男性は推奨度B・女性は推奨度C1という男女を分けた評価付けがなされています。

前回のガイドライン作成時点(恐らく2009年時点)で世界全体で年間225,800件の植毛実施例(男性86.2%・女性13.2%)が報告されていましたが、2015年度においては世界全体で年間397,048 件(男性84.7%・女性15.3%)の自毛植毛術が実施されているそうです。

この記事を書いている2018年時点では恐らく年間40万件は超えているはず。さらに女性の割合も15.3%からさらに増えている可能性も高いと思われます。

女性の自毛植毛術の受診の高まりを受けて、今回は改めて女性の植毛に関する言及がなされたものと考えられます。

なお、男女問わず「十分な経験と技術を有する医師が施術する場合に限り」自毛植毛を行っても良いというスタンスは前回から変わっていません。以下、その箇所の引用です。

国内外における自毛植毛術の膨大な診療実績を考慮し,フィナステリド及びデュタステリド内服やミノキシジル外用による効果が十分でない症例に対して,他に手段がない状況において,十分な経験と技術を有する医師が施術する場合に限り.男性型脱毛症には自毛植毛術を行うよう勧め,女性型脱毛症には行ってもよいこととする.

アデノシン外用の男性向け推奨度がアップ

男性:B(行うよう勧める)
女性:C1(行ってもよい)

薬用アデノゲンEX

資生堂から販売している「薬用アデノゲンEX」

アデノシンは資生堂が出している「アデノゲン」という育毛剤に含まれている成分名。資生堂からは男性向けに「薬用アデノゲンEX」、女性向けに「薬用アデノゲン グレイシィ」という商品が販売されています。

前回のガイドラインでは他の育毛成分と同等の扱いで「推奨度C1:行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」とされていましたが、今回は男性のみ「推奨度B:行うよう勧める」とワンランクアップ。女性は前回と変わらず「推奨度C:行ってもよい」という評価のままです。

報告された1つの試験では0.75%アデノシン配合ローションを使用した男性の80.4%の人の毛髪に改善を確認。さらに5%ミノキシジルローションとの比較をおこなった別の試験では、両者に有意差はなく同等の改善効果があることが認められました。

ミノキシジル(今回で言うとリアップX5)と同等って、かなりスゴいことですよね!?このように複数の試験で改善効果が認められたため、めでたくランクアップとなりました。

一方、女性に関しては改善効果が出ているという症例試験結果はあるものの、試験数が1件しかなく、有用性の根拠が不足しているため前回と変わらずとなっています。

セファランチンを含む育毛剤外用の削除

前回:C2(根拠がないので勧められない)⇒記述ナシ

2010年版の時点で他の育毛成分の評価C1よりもワンランク下のC2に評価されていたセファランチン外用ですが、2017年版ではガイドライン自体から削除となりました。

前回のガイドライン作成時にあった検証試験は1件のみ。しかも、フィナステリド内服と5%ミノキシジル外用を使用している46歳男性に対して、セファランチン外用をさらに組み合わせて使ってみたところ、約4ヶ月後に前頭部毛髪の増毛効果が認められたという内容です。

そもそもフィナ内服とミノキ外用にプラスして使って効果があったと言われても、それが果たして本当にセファランチンの効果かどうかは大いに疑問が残りますよね、、、そのため「十分な根拠が無い」とされていました。

今回のガイドライン作成にあたり、新しい症例試験報告や研究論文が無かったからか、ガイドラインから削除となってしまいました。現時点では特にセファランチン配合の外用薬を好んで使う必要は無いと言えます。

AGA治療の進め方にも多少の変化が

2010年版ガイドラインから新しい成分や治療法が加えられ、推奨度にも多少なりとも変化のあった今回の2017年版ガイドライン。

実は、前回AGA治療の進め方として次のような図が掲載されていましたが、2017年版のガイドラインには掲載されていませんでした。

2010年版男性型脱毛症(AGA)治療の進め方

男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)に掲載されていたAGA治療の進め方

今回の内容を読んでみて、その内容を反映させると次のような感じなります。

AGA治療の進め方(2017年版)
  • 育毛剤を使用するかどうかはどちらでもOK、もし使うならアデノシンがおすすめ
  • 基本プランは1年間のミノキシジル外用とフィナステリド内服の使用。人によってはデュタステリド内服や、LED照射・低出力レーザー照射といった治療も取り入れよう
  • 基本プランを行っても発毛効果が不十分であれば自毛植毛を受ける、あるいはカツラを使用して人生や生活をより豊かにするという選択もアリ

基本プランは大きく変化はしていませんが、細かいところで変更点がありますね。

2017年版ガイドラインを読んで感じたこと

今回のガイドラインで特に目立った点としては次のような点ではないでしょうか?

  • LEDおよび低出力レーザー照射の追加(推奨度B)
  • アデノシン外用の男性向け推奨度がアップ(前回推奨度C1⇒推奨度B)
  • 成長因子導入および細胞移植療法の追加(推奨度C2)
  • ミノキシジル内服の追加(推奨度D)

まず、LEDや低出力レーザー照射が、そもそも薄毛に効果があるというのが驚きでした。

『光を当てたら髪の毛が増えた!』とかどう考えても男性向け週刊誌に載っている詐欺広告じゃないですか・・・笑

怪しい数珠や水晶の広告

メガネ君

どひゃー、、、これは怪しすぎるよ(滝汗)

両腕に美女をはべらかす写真や、福沢諭吉が満たされているお風呂につかっている男性写真が掲載されている数珠や水晶(パワーストーン?)と、個人的には同レベルに見ていました・・・(LEDやレーザー関係者の方、スミマセン、、、)

今回のガイドラインでのランクアップを受けて、AGAクリニックでも導入が進むかもしれませんね。また色々と怪しいニセモノ機械が通販で出てくるかもしれません。くれぐれも怪しい広告にはご注意を。。。

AGAスキンクリニックの「LED治療ヘアビーム」

AGAスキンクリニックで購入できる「LED治療ヘアビーム」

ちなみにガイドラインの症例試験では低出力レーザーを週3回のペースで26週間(約半年間)照射しています。個人でこれを行うにはAGAクリニックに通うというよりも、LEDやレーザー照射器を実際に購入して自宅で治療をおこなうという方法が現実的ですね。

照射器は1台10万円~20万円ぐらいしますが、1度購入してしまえば壊れるまで半永久的に治療できるというのはメリットかなと思います。

アデノゲンの公式サイト

また、2つめのアデノシンの推奨度アップも人によっては大きなトピックですよね。

ミノキシジル外用の推奨度Aには及びませんが、これまで「市販の発毛剤=ミノキシジル配合のリアップ一択」という図式だったところに、アデノシン配合のアデノゲンシリーズが割って入ってくるかもしれません。

実際、肌に合わなくて使えないという「リアップNGユーザー」も中にはいるはずです。そういう人たちにとって、副作用がほとんどないアデノゲンは、リアップに代わる新たな選択肢になりそうです。

成長因子導入および細胞移植療法の追加(推奨度C2)とミノキシジル内服の追加(推奨度D)については、驚きももちろんありましたが、現時点では仕方ないのかなという印象です。

今回のガイドラインでは、過去のエビデンスが無いあるいは十分ではないために低評価になってしまいましたが、実際には数多くのAGAクリニックでメソ治療やミノキ内服の処方は行われており、多くの患者さんが発毛を体感しています。

ですが、ガイドラインという性質上、どうしても客観的な臨床試験や研究論文といったエビデンスが求められるため、「有効性がある」と現時点では断定できないという面はありますよね。

今後に期待です。

【最後に】ガイドラインは絶対的なモノではなく個人のAGA状態に合わせて活用されるべし

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」については、治療の推奨度や基本となるAGA治療の選び方が第三者目線で掲載されており、非常に参考になります。

基本的にはこのガイドラインに沿ってAGA治療をおこなえばOKだと思います。

ただし、逆にガイドライン冒頭部分「8.免責事項」の欄には次のように書かれています。

この診療ガイドラインは臨床皮膚科医の視点に立って,現段階における医療水準を客観的事実から記載したものである.診療ガイドラインは個々の症例に応じて柔軟に使うものであって,医師の裁量権を規制し治療方針を限定するものではない.

つまり、客観的な根拠を元にガイドラインは作られてはいるものの、実際の現場では個人のAGA進行度や毛髪・頭皮の状態に合わせたガイドラインの運用が求められる、というわけですね。

実際、AGA治療は誰がやっても100%同じように効果が出る治療ではありません。必ず治療との相性があります。

『基本プランを忠実におこなっても十分に発毛しない、だけど自毛植毛には抵抗感がある・・・』そんな時の選択肢として、レーザー照射や成長因子を使ったメソセラピー治療、ミノキシジル内服などがあると思います。

ガイドラインで推奨されている治療だけを受けるのも1つですが、自分は基本プランだけでは良いのか不安な人や、より積極的にAGAを改善したい人にとっては、メソセラピー治療やミノキシジル内服なども視野に入れてみるといいのではないでしょうか?

その時は必ず経験豊富なクリニックや医師に相談するようにしてください!

ハヤシ先生

自分に合った治療を見つけるには、適切なAGAクリニック選び・医師選びが重要になってくるよ!

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